セントジョーンズワートとSSRI(抗うつ薬)の飲み合わせ
なぜこの組み合わせが危険なのか
セントジョーンズワート(セイヨウオトギリソウ、学名: Hypericum perforatum)は、軽度のうつ症状に対してヨーロッパを中心に使用されるハーブサプリメントです。しかし、SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)との併用は極めて危険です。
セントジョーンズワートにはセロトニンの再取り込みを阻害する作用があり、SSRIと同様のメカニズムで脳内セロトニン濃度を高めます。両者を併用すると、セロトニンが過剰に蓄積し、セロトニン症候群と呼ばれる重篤な副作用を引き起こす危険性があります。
セロトニン症候群の症状には、高体温、筋硬直、頻脈、発汗、興奮、下痢、振戦(ふるえ)などがあり、重症化すると生命に関わることもあります。
影響を受けるSSRI薬の例
以下のSSRI・SNRIとの併用が特に危険とされています:
パロキセチン(パキシル)、セルトラリン(ジェイゾロフト)、フルボキサミン(デプロメール/ルボックス)、エスシタロプラム(レクサプロ)などのSSRI全般。
さらに、SNRI(デュロキセチン、ベンラファキシン)や三環系抗うつ薬、トラマドールなどのセロトニン作動薬とも同様のリスクがあります。
また、セントジョーンズワートはCYP3A4酵素を強力に誘導するため、抗うつ薬だけでなく、経口避妊薬、免疫抑制剤、抗HIV薬など多くの薬の血中濃度を低下させます。
安全のための原則
SSRIを服用中の方は、セントジョーンズワートを絶対に併用しないでください。これは医療関係者の間でも広く認識されている禁忌の組み合わせです。
もし現在セントジョーンズワートを使用していてSSRIの処方を受ける場合は、必ず医師にサプリの使用を伝えてください。切り替え時には、セントジョーンズワートの中止から一定のウォッシュアウト期間(通常1〜2週間)が必要です。
うつ症状に対するサプリメントとしては、EPA/DHA(オメガ3脂肪酸)やビタミンDなど、SSRIとの相互作用が比較的少ない選択肢もあります。ただし、いずれも医師に相談の上で使用してください。
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よくある質問
セントジョーンズワートとSSRIを一緒に飲むとどうなりますか?
セロトニン症候群という重篤な副作用が起こる危険性があります。高体温、筋硬直、意識障害などの症状が現れることがあり、絶対に併用しないでください。
SSRIをやめてからどのくらいでセントジョーンズワートを飲めますか?
SSRIの種類によりますが、一般的に中止後2〜5週間(薬の半減期の5倍)のウォッシュアウト期間が必要です。必ず主治医の指示に従ってください。
セントジョーンズワートは他のどんな薬と相互作用しますか?
CYP3A4酵素の誘導作用により、経口避妊薬、免疫抑制剤(シクロスポリン)、抗HIV薬、ワルファリン、ジゴキシンなど非常に多くの薬に影響します。処方薬を服用中の方は使用を避けてください。